月曜日までに考えておきます

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「強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」」読みました

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

読みました。 以前に同じく、37シグナルズ本である「小さなチーム、大きな仕事」を読んでました。

前の本も読みやすかったのですが、本書は特に共感できる部分が多くすらすら読めました。

特に良かったなと思う点

セキュリティの話 P.66

37シグナルズのようにリモート勤務による自主性を重んじている会社でも、セキュリティ対策として必要最低限やっていることが挙げられているのが興味深かったですね。

  • HDD暗号化
  • 1passwordなどのパスワードソフトによる難読かつ個別のパスワード利用
  • Gmailなどは2段階認証にする

大企業のISMS対策は、しょうもないルール(※)多すぎて本当に大事なものが埋没してしまうので、本当に必要な物がわかりにくくなります。本書で書かれているレベルのセキュリティ対策はちゃんとやらないとまずいことになるんだなと思いました。

※ しょうもない例

  • ID,Passwordによるプロキシ認証でアクセスを阻む
  • しかもアクセスしちゃいけないサイトが多い
  • PCにinstallしてるソフトが何であるかをインベントリサーバに収集させる
  • パスワードは6ヶ月に一回、過去3回とは違うものに変えましょう

チャットルームの話

リモート勤務なので当然チャット系ツールを使うわけなのですが、その中で本当に仕事と関係ない話をするための雑談ルームを設けましょう、という話が書いてありました。チャットツール入れていると、自然発生的に雑談が発生することはありますが、明確に雑談専用部屋作って雑談するというのはいいなと思いました。

会社に行っていると、ランチや休憩、喫煙所などで仕事と関係ない話を同僚とやる機会があるわけですが、リモート勤務だとそういう機会がなくなってしまいます。なので、オンラインでもそういう場を設けるというのは楽しく働くメンタリティを保つのにとてもいいアイデアだと感じました。

自分が感じだこと

米国の、少人数でかつ進んだ働き方を取り入れている会社の話なので、とても良い話なのですが日本の会社ですぐに真似できるようなものではないという印象がやはりありますね。特に大企業では。

ちゃんと出社している人との公平性を保つために、リモート勤務者の評価は出社してる人と比べて低めに評価しましょう、みたいなくだらない条件を設定した上で施行するとかありそうですね。「ちゃんと出社」という概念の時点ですでに間違っているのですが。

なので、小さい会社や大きくなってもベンチャースピリッツを強く残している会社がまずやって、どんどん優秀な人がそっちに流れていくようになるといいんじゃないかと思いました。そうやって、大きな会社から優秀な人の人材流出が大きな課題となってきたら大企業も危機感を感じて重い腰を上げるんじゃないかと思います。

ただ、リモート勤務の懸念としてサボる奴がいるってのは、特に大企業だとあると思います。 出社してても、打ち合わせに出てるわけでもないのにほぼ一日自席にもおらずIRCにも反応せず、しかもなんの成果もあげてない奴とかほんとうに居たんですよね。あとはよく聞くソリティアおじさんとか。うかつにリモート勤務を認めたりしてしまうとそういうモンスター社員により怠けやすい環境を与えてしまうという問題はあると思います。さらに、大企業って人をいったん雇っちゃうと簡単に解雇することも難しいですし。

というわけで、やはり労働状況と労働成果の可視化というのがリモート勤務を進める上での必須条件になるのだと思います。