月曜日までに考えておきます

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伊坂幸太郎「残り全部バケーション」読みました

残り全部バケーション

残り全部バケーション

 

伊坂幸太郎の新刊「残り全部バケーション」が昨日発売されていたので買いました。面白かったので一日で読んでしまいました。その感想。

「チルドレン」に似てる

話のあらすじは、裏稼業の二人組が活躍する全5章の短編です。 伊坂幸太郎作品で言うと、型破りな児童相談員(だったっけ?)が活躍する「チルドレン」に似ていると思いました。

 

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

 

おっさんのほうがかなり適当かついい加減な人で、若い方も意外と淡々としてるコンビでした。今までの伊坂幸太郎作品だと、変な人&ツッコミ係の常識人みたいなコンビが多かったので、若い方がそんなにツッコミ係じゃなかったですね。

推理する要素とか若干あるものの、そんなに物騒だったり不思議な話だったりすることなく楽しく読める話でした。とは言え序盤からちゃんと伏線貼ってたりするのはさすがです。 あと、裏稼業な割にそんなに悪者っぽい描写とかもなかったですね。この辺はグラスホッパーの蝉とかマリアビートルの主人公たちと似た感じです。戦ったりしてないですけど。

前向きな言葉たち

タイトルにもなっている「残り全部バケーション」を始めとして、前向きな心に残る言葉が多かったですね。

過去のことばっかり見てると、意味無いですよ。車だって、ずっとバックミラー見てたら、危ないじゃないですか。(中略)来た道なんて、時々確認するくらいがちょうどいいですよ

とか

レバーをドライブに入れておけば勝手に前に進む

なんて特に良かったです。

ラスト

一番最後のシーン、残り数ページがすごい濃い内容でした。 それで居てあの終わり方はうまいというかずるいというか。

「夜の国のクーパー」がはっきりとラストをまとめたのに対して、今度はこの終わらせ方をできるのはやっぱりすごいな、と思いました。

というわけで、いい作品だったのでぜひ読んでみてください。

 

死神の浮力

死神の浮力